今日は「出産までのこと(3)」の続きを書きます。
《出産日当日》
前日から入院したものの、病院のベットは寝心地が悪いし、家でお留守番してるRinの様子も気になるし、しかもやっぱり定期的にお腹が張っていて痛くてほとんど眠れませんでした。
このお腹の張りは、一週間ほど前から続いていたので
最近動くとはりやすいです、と先生には伝えていました。
朝早い時間からNSTをつけるために、部屋に看護師さんが来てくれた時は
「ほとんど眠れていないので、ウトウトしていて良いですか」と確認し、
NST中は半分寝てたと思います。
NSTで見てもやっぱり張ってるねえ。と看護師さんに言われ、
少し心配にはなったけど、ここ数日ずっとそうだもんなあと思っていましたs。
心配して電話してくれたパパと少し話して、
これからエコーがあるから、また終わったら連絡するね、と伝えて
一人で廊下を歩き、処置室に向かいました。
《心臓が止まっています》
昨日もエコーで見てくれた女の先生が待つ処置室に着きました。
なかなか眠れなかったんです〜なんて会話をしながら、お腹を診てもらいました。
「今日レーザーやるのかな。今日だったらパパ来れるけど。
でも昨日より悪化していないといいなあ。
むしろ良くなってますね、なんて言われたりしないかな^^」
などと考えて横になっていたら、
突然先生が「一旦離れますね、すぐ戻ります」と言い部屋から出て行ってしまいました。
私はエコー中に、先生の胸ポケットに入ってた病院の電話が鳴っていたのに気づいていたので
電話でもしに行ったのかなあ、くらいにしか思わず、目を瞑ってまたウトウトしていました。
すると今度は、他の先生を連れて部屋に戻って来ました。
あれ、もしかして今日レーザーやるのかな!?と驚いていたら、
2人の先生がじっくりとモニターを見始めて、次に先生が口にした言葉は、
「お母さん、残念ですが左の子の心臓が止まっています」 でした。
え、、、止まってるってなんで。 え? 止まってるって、どういう意味?
私は全く意味がわかりませんでした。「嘘でしょ、嘘でしょ」そう言い続ける私に
「これが嘘だったら良いのですが、残念ですが、、、」と
モニターに写る小さい赤ちゃんを指さして、「止まっています」と。
私には少しその心臓が動いているように見えたので、「いや!動いてます!」と声を荒げても
「確かにビクン、ビクンと動いているように見えるかもしれないけれど、
これは心臓の動きではありません」と。
この時、先生たちはもう一人の赤ちゃん、Renの様子を見るためモニターに張り付いて話を進めていて
そのことが分かった私はRenの説明をされるのを待ちました。
でも待ちきれず、もう1人の子はどうなんですか!と声をかけても先生は
「ちょっと待ってください!いま不思議なことが起きてるんです!」と
私はこの時すでに手が震えていて、でも震える手をなんとか胸の前に合わせて
「お願いです、助けてください。おじいちゃん、助けて」と、去年亡くなった私の大好きなおじいちゃんに向かって手を合わせお願いし続けました。
震えながら祈り続けている私に、先生は
「お母さん、通常1人の子がお腹で亡くなるとその子の血圧がゼロになり、
もう1人の生きてる子から一気に血流が流れて行って、共倒れする可能性が高いんです。
でも今はそういう血流が確認できません。
きっと今は心臓が止まっている左の子が右の子を助けようと頑張っています。
ただ、今はまだ左の子も元気でいてくれてますが、
いつ血流が悪くなり亡くなってしまうかわかりません。
このまま2人をお腹にいさせる訳にはいかないので、
今から帝王切開で赤ちゃん2人とも取り出します!良いですか!」
ダメな訳ないじゃん。なんで急にそんなことになるの!早く2人とも助けてあげて。
「おねがいします」多分、泣きながら、すごく小さい声でこう答えた私の言葉を聞き、
すぐに先生が「緊急カイザー!!!」と、強く大きく指示を出しました。
この時の先生の声は今でもわたしの耳に残っています。